岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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歯科医師ブログ 口臭の原因と対策について

こんにちは!
10月の、りお歯科クリニック歯科医師ブログです!
さて、皆さんはInstagramやってますか?見ていると本当に時間が溶けてしまいますよね(笑)私は一度もポストしたことなく、もっぱら見るだけなのですが、先日気になるポストを見つけました。
「こんな添加物は口臭の原因になります!」と、いうもの、添加物が口臭の原因になるかどうかは分かりませんが、コメントが荒れまくっていて怖くなってしまいました。
口臭の悩みは非常に多くの方が抱えているものですし、対人など社会生活において大きな影響を与える悩みなので、皆さん真剣だからこそ荒れたのかな?とも、思いました。
私は奇をてらった内容で「バズる」のではなく、歯科医師として詳しい分野と、エビデンスのある内容で書いてみようと思います。

口臭を気にしていますか?

口臭というのは、実はしっかりと定義されています。
「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」が、口臭というわけです。
よくCMでもお見受けするニンニク臭やアルコール臭などに対応する「〇〇〇ケア」みたいな製品で抑えられる呼気臭は、厳密には口臭に含めないそうです。

口臭の悩み

因みに、2016年に厚生労働省が行った歯科疾患実態調査では、15歳以上の約10%が「口臭が気になる」と回答したそうです。
あくまで、自分の口臭が気になるという人が10%いるという調査結果なので、本当に口臭がある人が全体の10%いるという訳ではありません。
その証拠に、1992年に日本人の口臭実態調査の目的で、揮発性硫黄化合物(VSC)を測定する機器で行なわれた調査によると、社会的容認限度を超えるような強い口臭を持つ成人は、測定時間帯や年齢により変動はあるものの6%~23%存在しており、口臭が気になっている人よりも、実際に口臭を放っている人の方が多い可能性もあるわけです。

口臭の原因80%以上は口内にあり

口臭は、大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」の2つに分類されます。
生理的口臭
朝起きたときや食事後に一時的に発生するもので、唾液の分泌量が減少することで、口腔内の細菌が繁殖しやすくなり、臭いを引き起こします。
病的口臭
口腔内や全身の病気が原因で発生するものです。
歯周病、虫歯、舌苔(ぜったい)などの口腔疾患が主な原因ですが、消化器系や呼吸器系の疾患によっても引き起こされることもあります。
とはいえ、副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)や肝臓病や腎臓病、全身疾患(代謝性疾患)由来の口臭は、ごくまれで、そもそも口臭以外の自覚症状が現れることが多いため、かなり限定的と言われております。
では、口臭の原因として最も可能性が高いのは何か?

口臭の大部分(80%以上)は口内の気体由来であり、原因物質はいくつもありますが、揮発性硫黄化合物(VSC)が90%を占めることが、数多くの研究で証明されています。
揮発性硫黄化合物(VSC)とは、「硫化水素」と「ジメチルサルファイド」「メチルメルカプタン」の3つ成分から構成されており、特に「メチルメルカプタン」は極低濃度でも臭気を感知できるため口臭を感じやすくなるそうです。

舌苔

そして、この臭いの原因物質は、歯周病の原因菌や、舌苔(ぜったい)と言われる、舌の表面についた苔(コケ)状のものに、生息する嫌気性菌が唾液や食べカスに含まれるアミノ酸などを分解・腐敗することで産生されます。
そのことから、口臭の原因は「歯周病」と「舌苔」からとされており、さらに舌苔由来の口臭の方が多いといわれています。

絶対やろう!舌苔のお掃除!

長くなりましたが、口臭を生み出す犯人(限りなく黒に近いグレーな容疑者)が舌苔だという事が分かったわけですが…「じゃあどうすればいいの?」と思われた方も見えるかと思います。
そこで、舌(舌苔)のメンテナンス、清掃方法を書いていきます。

舌苔の清掃には、柔らかめの歯ブラシやタオルでも大丈夫ですが、ドラッグストアでも簡単に手に入るようになった舌ブラシを使うのが効果的です。
やり方は簡単!
舌ブラシを舌の奥に軽くあてて優しく引くだけです。
※すぐ「オウェっ」となる方は鼻呼吸や、息を止めて行うと良くなります!
舌ブラシを洗いながら舌苔が付いてこなくなるまで、1・2回行いましょう。
注意点としては、強くこすりすぎない事!
清掃の頻度は朝の1回にする事!です。
強すぎ、やりすぎは舌の粘膜を傷つける恐れがありますので注意してください。

舌磨き

概ね1週間程度続けるだけでも、舌がきれいになったと実感できると思いますので、その後は頻度を少なくされても良いかもしれません。
そもそも、きれいな舌の人はやる必要もありませんし、本来舌が正しくニュートラルな位置(※前歯の後ろ辺りで、舌全体が上あごに付いている状態)で収まっている人ならばあまり付かないとされています。
因みに、この位置に正しく収まっている人は歯並びに悪影響を与える事が少ないだけでなく、滑舌が良く、あごのたるみやほうれい線も少なく、イビキもかきにくいとされています。

舌苔は絶対ではない!

口臭の原因は舌苔にあり!と、書いてきましたが、よく読んでいただくと、それだけが口臭の原因ではない事に気が付かれたかと思います。
口臭の原因の一つに「嫌気性菌が唾液や食べカスに含まれるアミノ酸などを分解・腐敗することで産生される」と書いていますが、「食べカス」対策として有効なのが、歯間ブラシやデンタルフロスを併用した歯みがきです。
歯みがきは、口腔内の細菌を減らし、口臭の発生を抑える効果がありますので、習慣として歯みがきをされている方は多いと思います。
しかし、歯間ブラシやフロスはどうでしょう?
習慣になっていない方は、一度夜の歯みがき前に手軽な歯間ブラシ等をしていただき、とれた食べカスの臭いをかいでみてください…
きっと、フロスが習慣になるくらい衝撃的な臭いだと思います。
歯みがきとフロス等の併用で歯と歯の間に残った、食べカスを除去すれば更に口臭予防の効果が期待できますし、むし歯の予防にも繋がります。

新たに見つかった口臭増強機構

次に挙げるのは、口臭の発生源についてです。
確かに、発生源のほとんどが舌苔にあると書いてきましたが、歯周病も口臭の発生源です。
歯周病関連菌の1つ「Fn菌」は、先ほども書いた口臭原因物質の「メチルメルカプタン」を最も多く発生させ、さらに腔常在細菌の「Sg菌と共生」することで、メチルメルカプタンの発生量が増加する事が近年の研究で明らかになりました。
これを「口臭増強機構」と言うそうです。

日本の成人の約8割が歯周病にかかっているといわれており、実は日本人が歯を失う原因の1位が歯周病とされています。
歯周病により40代で1本、50代で2~3本、60代で5~7本、70代では10本以上歯を失っているという調査結果もあります。

歯周病は口臭の原因と深く関わるどころか、放置は歯を失う危険性まで含んでいるわけです。

歯周病や虫歯など、病的な口臭の原因となる口腔疾患は、早期発見・治療が重要です。
歯科医院で定期的な検診を受けることにより、これらの疾患を予防し、口臭の発生を防ぐことができます。
また、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアは、通常の歯磨きでは除去しきれない歯石やプラークを取り除くため、より効果的な口臭予防につながりますので、歯科医院のプロケアへ定期的に通っていただけると嬉しいです。

さて、いかがでしたか?
実は他にも口臭対策として、ガムを噛んだり水分を補給して唾液の分泌を促したり、生野菜や果物を食べることで、口腔内の細菌を減少させ、ヨーグルトや発酵食品に含まれるプロバイオティクス(善玉菌)の効果で細菌の増殖を抑えることなども効果が期待できるとされていますが、今回は歯科医師として私の専門である口腔内にスポットをあてた内容にさせてもらいました。

口臭予防には、日常的な口腔ケアや定期的な歯科検診、適切な食生活が重要と言えるでしょう。
口臭は社会生活において大きな影響を与えるため、しっかりと対策を行いたいものです。
また、歯科医院に定期的に通い、自宅でセルフケアをしっかり行っていても口臭が長期間続く場合は、歯科医院以外の診察を受けることもお勧めします。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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