こんにちは!りお歯科クリニック歯科医師ブログです!
今年は雪が降らないのかな?スタッドレスタイヤも無駄にすり減るだけかな?と、思って油断していたら先月末にまさかの大雪が降り、そしてまた春のような陽気にと、寒暖差が激しい冬ですが2月を迎えて早咲きの梅が咲くなど春の足音が聞こえてきました。
岐阜市内では梅林公園のライトアップも始まるようですね!
今年の、ぎふ梅まつりは3月2日(土曜)、3日(日曜)に開催されるそうです。
駐車場がないので毎年柳ヶ瀬辺りのコインパーキングを利用して歩いていくのですが皆さんもぜひ行ってみてください!
むし歯の発生の原因とメカニズム
さて、前回はむし歯のメカニズムに沿ったご自宅や日常生活でできる予防方法について書いていきました。
今回は、虫歯予防に効果的な歯科医院で行うプロケアにスポットをあてて書いていこうと思います。
先ずは前回のおさらい…
むし歯になるメカニズムから!
「歯質」の弱い部分や磨き残しやすい部分に「原因菌」が付着してバイオフィルムを作り、食事から摂取した「糖質」を基に酸を生成して「時間」の経過とともに歯を溶かしてむし歯になります。
「歯質」「原因菌」「糖質」この3つの要素が重なり「時間」の経過で、むし歯はできます。
今回はこの中の「歯質」「原因菌」にスポットをあててプロケアで行うむし歯対策についてお話ししていきます。
先ずは「歯質」について、すぐにできる歯質を向上させるプロケアにフッ素塗布があります。
お子さんのフッ素塗布は乳歯が生えだした時から行い中学卒業までが効果的とされています。
しかし、乳歯が生えだしたすぐのお子さんではお口を開けてフッ素を塗る事も難しいでしょうから乳歯が生えそろってからでも問題はありませんので、焦らずお家で親御さんによる仕上げ磨きの練習からスタートしてみてください!
因みに成熟した大人の歯はフッ素を取り込み難く、フッ素塗布による虫歯予防効果は20~30%と言われているため、定期検診のタイミングや歯石取りなどのタイミングでフッ素塗布を行うのも良いですが、毎日高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉などを使って丁寧に磨かれるのも有効と言えます。
大人用の歯磨き粉であれば、フッ化ナトリウム(NaF)濃度1000~1500ppmF配合された物を使ってみてください。
当院で販売している歯科専売品の歯磨き粉「チェックアップスタンダード」はフッ素濃度1450ppmF配合されており、さらにフッ素高滞留処方という嬉しい効果と低発泡・低研磨・低刺激で長くしっかりと磨きやすい歯磨き粉になっています。
※歯磨き後のうがい(洗口)は少量の水で1回にしてください。
お求めは受付スタッフまでどうぞ!(歯科専売品らしいのですが…最近ドラッグストアでも見かけるようになってきました!)
その他の注意点としては、年齢に応じて塗布するフッ素濃度は決まっているため、歯磨き粉(又はフッ素ジェル)のパッケージを確認して用法容量を守るようにしてください。
2023年の1月に歯科4学会(日本歯科保存学会・日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本老年歯科医学会)合同のフッ化物配合歯磨剤(歯磨き粉)の推奨される利用方法に関する提言が発表されました。
それによると
歯が生えてから2歳までは900~1000ppmF歯磨剤をごく少量(米粒程度)使用する。
歯みがきの後にうがいが難しい場合はティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取ってもよい。
3~5歳も同じく900~1000ppmF歯磨剤は少量(グリーンピース程度)使用する。
歯みがきの後のうがいは少量の水で1回のみとする。
6歳~成人~高齢者は1400~1500ppmF歯磨剤の量は1.5~2cm使用する。
歯みがきの後のうがいは少量の水で1回のみとする。
今回の提言は国際歯科連盟(FDI)や世界保健機関(WHO)が作成しているフッ化物配合歯磨剤の使用量や使用方法を参考にして日本の状況を加味して作られたそうです。
歯のメンテナンスに関しては後進国と言われる日本ですが、国際基準に近づけた感じですかね!
因みに、日本では現在販売されてないのですが5000ppmFの歯磨剤も処方箋なしで買える国が増えてきているそうです。
当院ではお子様用のフッ素ジェル(970ppmF)も、販売しておりますのでお気軽にお声がけください。
プロケアと言いながらホームケアグッズの話が多くなってしまいましたね(笑)
矯正についてもお話ししておこうと思います。
直接的に歯の質とは関係がなさそうですが、実は歯列が整っている事で歯ブラシがあてやすく結果として、むし歯が発生しにくくなり健康な歯を残す事が期待できます。
昔は全顎のワイヤー矯正しか選択肢がありませんでしたが、今では3歳ごろから始められる早期予防矯正治療のマイオブレイスやお子様から成人まで対応できるマウスピースを用いたインビザライン矯正など選択肢もありますので、こちらも気になる方で岐阜市の方や岐阜市近郊で当院に通いやすい地域にお住まいでしたら、りお歯科クリニックへ矯正相談にお越しいただけるとうれしいです。
むし歯の原因菌対策
次に、「原因菌」に有効なプロケアについてお話しする前に先月の歯科医師ブログで書かせていただいたバイオフィルムについておさらいしてみましょう。
バイオフィルというのは複数の細菌が集まって作り出す保護膜のようなものです。
(細菌の集合住宅と例えられる先生もみえます)
台所の三角コーナーや排水溝の「ぬめり」もバイオフィルムです。
排水溝などの掃除をした事のある方なら分かっていただけると思いますが少し擦った程度では、あのぬめりは落ちません!
そこで歯科衛生士によるプロケアの出番というわけです。
プロケアの説明をする前によく聞かれるバイオフィルム対策について書いておきます。
診察させていただく際に「有名なめちゃくちゃカライ洗口液」や「お口をくちゅくちゅする洗口液」はいつもされているそうですが、歯垢がバッチリ付いているという方がみえます。
あれらの製品はバイオフィルムの付着を予防する効果は多少あると思いますが、既に付着してしまったバイオフィルムの除去には効果は殆どありません。
※洗口液の効果については、また別の機会にじっくり書いてみますね!
効果があるとすれば「歯ブラシなどによる物理的、機械的除去」になります。
その他にもフロスやタフトブラシ(ワンタフトブラシ)と呼ばれる歯ブラシの届きにくいところ用の毛束の小さいブラシも有効です。
とは言え…ある調査ではバイオフィルムの除去には歯ブラシで20ストローク必要とされています。
歯28本に対して5面全てに20ストロークブラッシングする場合1ストローク1秒と仮定すると約47分かかる計算になります(28本×5面×20ストローク=2800ストローク 2800÷60秒=約47分)。
ちょっと難しいですよね!
しかも、毛がピンと立った歯ブラシで歯の面に対して適切な力加減で歯と歯の間も狙って47分もブラッシングするなんて私は無理です(笑) 健康的な歯茎からも血が出そうです!
そこでプロケア!と、なるわけです!
バイオフィルムは急に作られたりはしません。
時間の経過とともに作られますので、食事後は歯磨きしていただく事と朝起きたら歯磨きもしていただきたいです!
それでも(私もですが)バイオフィルムは出来てしまうので、歯科衛生士によるPMTCが必要になります。
PMTCとは『Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で、直訳すると専門的機械歯面清掃という意味になります。
専門の機械を使ってプロ(歯科医師または歯科衛生士)が徹底的に歯の汚れを除去する事をPMTCと呼びます。
・超音波スケーラー
・プロフィー(パウダースプレー)
・ペリオ(パウダースプレー)
・PMTCコントラ(マイクロモーターハンドピース)
当院では多くの場合これら4つの機械を使用しております。
※厳密にいうと歯ブラシも含まれています。
バイオフィルムの除去には主にペリオかPMTCコントラが使われます。
患者さまの口腔内の状態に応じて、どちらかの機械でバイオフィルム除去を行っていきます。
ここで、気になるのがこのPMTC(専門的機械歯面清掃)は、どのくらいの期間を空けて受ける(受診する)のが良いかという話です。
歯科医院によっては「3ヶ月に1回きてくださいね~」と言われる医院さんもありますが、何を基準に言っているのか、いつも不思議でなりません。
口腔内を診させていただくと、これは早めに歯石を除去して定期的にメンテナンスに来てもらわないと…と思う患者さんが少なからずいらっしゃいます。
りお歯科クリニックは「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(略して、か強診と言います)として、厚生労働省に認可されておりますので、毎月のPMTCが保険適用になります。
お口の状態によっては毎月お越しいただく事も可能ですので担当する歯科医師や歯科衛生士とご相談の上、メンテナンスの希望日程をお聞かせください。
ちなみに私は毎月受けたい派なので毎月メンテナンスをしてもらっています。
これを言ってしまったら元も子もないですが…
毎月メンテナンスしていても、むし歯はできる事があります。
なぜか?
極端な話ですが、30日分の1回歯科医院でメンテナンスして状態を良くしても、30日分の90回(1日3食として)ホームケアを怠ってしまうと全く意味を成しません。
さすがに90回歯を磨かないなんて事はないと思いますが、あり得る生活パターンを挙げてみましょう。
朝からモーニングに出かけてモレラ(岐阜の人なら分かりますよね!)に行ってショッピングしてランチしてから映画を観て、ミスドとスタバを経由して家に帰ったら…晩御飯を食べるまで歯を磨かない事になりませんか?場合によってはお風呂に入ってからしか、歯を磨かない可能性もあります。
この間にお口の中の「歯質」の弱い部分に「原因菌」が付着して食事から摂取した「糖質」を基に酸を生成して「時間」の経過とともに歯を溶かしてむし歯の基をつくってしまうという事です。
その他にも治療した歯の、詰め物や被せ物の隙間など目に見えない隙間に細菌が入り込み糖を取り込んで歯を溶かして虫歯になる事もあります。
むし歯のメカニズムは個人の口腔状態や生活習慣によって異なりますが、毎食後のホームケアと定期的なプロケアは、むし歯の予防だけでなく、早期のむし歯の発見にも役立ちます。
「PRESIDENT Online」の記事によると、老後に後悔することの第1位は、「歯の定期検診を受ければよかった」とのことです。
※本当か?と思い「年齢を重ねてケアしておけばよかったと後悔した体の部位」で検索したところ確かに「歯」が1位でした!
歯がグラグラした状態や、歯を失った状態では美味しい食事も歯ごたえのある食べ物も食べられなくなってしまいます。
もちろん楽しい会話もしにくい状態になります!
私も歯科医師として後悔する前に歯科医院で定期的な歯の検診や、歯石取りなどのプロケアやメンテナンス・予防処置にお越しいただく事を強くお勧めしますし、私自身の家族へも勧めています。
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