岐阜市の歯科・歯医者・インプラント|りお歯科クリニック

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歯科医師ブログ マウスウォッシュ使ってますか?

こんにちは!
3月になってから、これが寒の戻りとでも言うのでしょうか、急に寒い日が増えた岐阜市ですが、皆さんは花粉症ではありませんか?
りお歯科クリニックでは基本的に歯科医師はもちろん全スタッフが院内に入る際にマスクをつけて、そのまま勤務しているためなのか私は比較的症状なく過ごしているのですが、患者さまの中にはお口を開け続けるのがつらい!と感じられる方が多くなる時期です。
今年も鼻うがいの試供品をメーカーさんよりいただいておりますので診療に入られた際に聞いてみてください!
※数に限りがございます。
鼻うがいの話がでましたので、今回はお口のうがいに使われる「洗口液」について書いてみようと思います。

「洗口液」と「液体歯磨」

同じような液体のため、あまり知られていませんが「洗口液」「液体歯磨」の2種類があるのはご存じでしょうか?
今回の歯科医師ブログを書くにあたり、当院の通りを挟んだ向かいにあるスギ薬局をのぞいたのですが、同じ場所に同じように置かれていました。
この「洗口液」と「液体歯磨」は似ていますが使い方が全く違います。
「洗口液」は、口に含み、ぐちゅぐちゅうがいをしてから吐き出します。
「液体歯磨」は口に含みブラッシング、もしくは吐き出した後でブラッシングを行います。
なんとなく見えてきましたね!
いわゆる手軽なマウスウォッシュとして使うならば「洗口液」ブラッシングが必要になり、ひと手間かける必要がある方が「液体歯磨」というわけです。
(※配合成分によりますが)共通する効果としてはどちらも「口の中を浄化して口臭を防ぐ」ことと、「歯肉炎の予防と歯石の沈着を防ぎ口の中を爽快にする」ことが期待できます。
違いは、やはりブラッシングを伴う「液体歯磨」は(※配合成分によりますが)歯を白くする事や、タバコのヤニ除去効果が期待できる点にあります。

さて、ここまでの説明で2回も「※配合成分によります」と書いてきましたので、配合成分について少し掘り下げてみます。
このブログを読まれている方がどの効果を期待されているかで裏面の有効成分とにらめっこしてみてください。
「液体歯磨」で使用できる有効成分は結構多いので今回は手軽な「洗口液」で(液体歯磨でも)使用できて「口臭を防ぎ」「歯肉炎の予防効果があり」「虫歯の発生や予防効果」が期待できる有効成分をご紹介します(※厚生労働省医薬食品局では洗口液や液体歯磨に配合可能な有効成分と取得できる効果、効能について基準を定めており基準の配合濃度を上回れば製品に表示が可能です)。
それが「塩化セチルピリジニウム」「塩化ベンゼトニウム」になります。
その他に「フッ化物」にも虫歯予防と歯質強化の効果は期待できます。
洗口液を購入されるならこの辺りが入っていて製品に効果や効能が記載されている物を選ばれると良いかもしれません。

では次に、洗口液の有効的な使用方法についても調べてみました。
効果が期待できる(エビデンスがある)使用方法は、「ブラッシングして5分以上経ってから、有効性が証明されている洗口液を10ml以上用いて1日2回30秒以上の洗口を行う」というものです。
ブラッシング(歯磨き)してから5分以上(少なくとも5分できれば4時間)というのは、バイオフィルムを機械的に除去(ブラッシング)しないと効果が薄い事と、歯磨剤(歯磨き粉)の有効成分の一つであるラウリル硫酸ナトリウムと反応して効果を弱めてしまう洗口液があることや、同じく歯磨剤のフッ化物などの有効成分を洗い流してしまうからだと思われます。
因みに朝ごはん後や就寝前など洗口のタイミングに関する調査結果は見当たらなかったのでどのタイミングにするのが良いのかというエビデンスは残念ながら見あたりませんでした。
意外だったのは洗口時間の長さで効果に差は無いようで、ある調査では洗口液で30秒うがいしても、60秒うがいしても統計学的な観点からは差がなかったという結果がでているという事でした。
私個人としてはカライ洗口液が苦手なので30秒でも良いというのは嬉しい結果でした。

刺激の強いマウスウォッシュは効くのか?

では、そのカライ、アルコール(エタノール)含有洗口液とノンアルコール洗口液ですが、どちらの方が「バイオフィルム付着抑制効果」と「歯肉炎抑制効果」が高いかというと…実は調査した結果(論文)は複数あるのですが、結果が分かれています。
なぜ結果が分かれたのかというと、結局は市販の洗口液を使って調査しているため、その製品に含まれるアルコール濃度であったり、その他の有効成分の差があるからではないかと考えられます。
そもそもアルコール(エタノール)を使用している主な目的は薬用成分を溶かすためでした。
殺菌成分のいくつかは水に溶けにくいため溶剤としてアルコールが使われていたのですが、現在はメーカーさんもアルコールを使わなくても殺菌成分を水に溶かせるよう研究開発をされているようです。
では、なぜ同じ製品でもアルコール含有とノンアルコールがあるかというと、やはり使用後の清涼感にあるのかと思います。
やっぱりカライと「殺菌できた!」「効いた気がする!」というポジティブな印象が得られて継続的に使用してもらいやすくなるのでしょう。

最後に殺菌成分の効果持続時間についても書いてみます。
朝まですっきり!とか、朝のお口のねばつきが抑えられます!などという宣伝でも見られるように「グルコン酸クロルヘキジン(CHG)」は陽イオン性化合物であり、歯の表面・粘膜・舌や唾液にも吸着するので少なくとも7時間程度は殺菌効果が持続すると考えられています。
また、陽イオン界面活性剤である「セチルピリジニウム塩化物(CPC)」・「ベンゼトニウム塩化物」などの殺菌成分も持続性はありますが、CPCとエッセンシャルオイル配合洗口液では5時間程度という報告もあり、先のCHGと比べると持続的な殺菌効果は弱いように感じられますが、これは陽イオンの性質があるとバイオフィルム表面で殺菌成分がとどまるため持続時間が長い事と比べて、エッセンシャルオイルなどは中性化合物のためバイオフィルムへの浸透性に優れている事から滞留して効果を発揮できなかった事が要因かと考えられます。
どちらが良いのか?と問われると、どちらにもそれぞれ良いところがあるので判断が分かれるところになります。

実は、今回途中まで書いたブログ記事に迷いが生じたので(笑)急遽内容を洗口液にしたためアップがギリギリになってしまったのですが、調べてみると奥が深くて面白かったです。
ここで私のおすすめ洗口液をあげてみても良いかな?とも思ったのですが、何を目的にするかで違ってきますので今回の内容を基にドラッグストアで色々と試してみてください!
読んでいただきありがとうございました!

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